ナーシング・リサーチのために
これまでにどのような看護の研究が行なわれているか
波多野 梗子
1
1東京大学医学部基礎看護学教室
pp.45-47
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905392
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看護に関する研究は,この4,5年次第に活ぱつになり,研究学会や雑誌への発表数も多くなってきてはいるが*,看護研究の水準が医学や社会科学の諸分野での研究にくらべ,遜色のないところにまではいたっていないように思われる。ことにしっかりした理論的枠組にもとづく仮説検証的研究はほとんどみられない。しかし,看護は科学的裏づけなしには成立しないし,また看護婦が専門職であるとするならば,それぞれが常に研究を行なって,自らの実践を高めるとともに看護学を進歩させていく義務があると思われる。
看護研究が発表される機会としては,一つには看護研究学会,地区別公衆衛生看護学会,全国公衆衛生看護学会などの学会があり,これらは研究抄録集として各学会の後に公刊されている**。それと同時に,単行本,雑誌,あるいは研究年報などがある。ここでは1960年から1963年までの4年間の看護関係の雑誌のうち,以下の七つの雑誌に掲げられた論文(抄録を除く)を集め,いろいろな角度から検討し,これまでの看護研究について考えてみた。
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