増刊号特集3 医療安全 New Perspectives
新たな医療安全トレーニングの提案―KYTから“PRA”(プロアクティブ・リスクアセスメント)
石川 雅彦
1
1東京医科大学 医療安全管理学講座
pp.744-749
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102149
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“リスクアセスメント力”を育成する新たな取り組み
現在,臨床においては,医療安全を推進するためにさまざまな医療安全トレーニングが実施されており,筆者がこれまで研修や雑誌などで紹介してきたように,インシデント・アクシデント事例分析法のRCA(Root Cause Analysis:根本原因分析法)1)は論理的思考を育むツールとして,HFMEA(Healthcare Failure Mode and Effects Analysis:医療における失敗モード影響分析法)2)はリスクセンスを磨くツールとして活用が可能である。
また,最近注目されつつあるチームトレーニング法としては,CRM(クルー・リソース・マネジメント)を参考に筆者が考案したMITT(Medical Interdisciplinary Team Training:医療領域における職種横断的なチームトレーニング法)3)がある。先述のRCAとHFMEAは,多職種参加により実施することでチームトレーニング法としての活用も期待できる。このほかに,一般によく知られている危険予知トレーニング(KYT)もある。
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