技術講座 生化学
血漿レニン活性(PRA)の測定法
地曳 和子
1
,
阿部 裕司
1
,
小田桐 恵美
1
,
出村 黎子
1
,
出村 博
1
1東京女子医科大学ラジオアッセイ科
pp.27-32
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203236
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レニンは,腎の傍糸球体細胞(JG細胞)で合成,貯蔵,分泌される,一種の蛋白分解酵素である.分子量37,200,至適pH6.0前後で,血漿中のα2-グロブリン分画に属するアンジオテンシノーゲン(レニン基質)に作用して,アンジオテンシンⅠ(Ang. Ⅰ)を産生する.Ang. Ⅰはデカペプチドで血管収縮作用はないが,血中または肺循環中,変換酵素の作用でオクタペプチドであるアンジオテンシンⅡ(Ang. Ⅱ)に変化する.Ang. Ⅱは平滑筋収縮作用が強力で,中でも血管平滑筋に対する収縮作用により強力な昇圧活性を示し,また副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を促進する.Ang. Ⅱはさらに蛋白分解酵素であるアンジオテンシナーゼにより急速に不活性化される(図1).
レニン・アンジオテンシン系は,アルドステロンとともに血圧調節および水電解質の調節に重要な体液性因子の一つである(図2).
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