連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 12
今後,期待できる新たな医療安全トレーニング
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.360-366
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200203
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医療安全教育の現状評価と期待される新たな取り組み
医療安全推進の取り組みとしてさまざまな取り組みが実施されてきたが,今後,さらなる推進を図るためのキーワードは“人材育成”である。多忙を極める医療の現場,限られた時間で多くの学習を求められている看護基礎教育の現場においては,いかに効率的・効果的な医療安全教育を実施するかが重大な課題といえる。この課題に取り組むには,医療安全教育の現状評価が必須であり,内容はもちろんのこと,より効果的な教育方法の検討が望まれる。
2007(平成19)年3月に公表された「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針─医療安全管理者の質の向上のために」1)において,医療安全に関する職員への教育・研修の実施について,「医療安全管理者は,職種横断的な医療安全活動の推進や,部門を超えた連携に考慮し,職員教育・研修の企画,実施,実施後の評価と改善を行う」「研修は,内容に応じて職員の参加型研修となるよう企画する」「研修は,具体的な事例を用いて対策を検討するような企画を行う」などの記載がある。これらからもわかるように,効率的・効果的な医療安全教育実施におけるキーワードは“参加型”“具体的事例の活用”“職種横断的”と考えることができる。
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