増刊号特集3 医療安全 New Perspectives
医療安全管理者に求められる新たな能力―キャプテンシーの発揮
石川 雅彦
1
1東京医科大学 医療安全管理学講座
pp.738-743
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102148
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期待されるキャプテンシーの発揮
キャプテンシーとは,チームのキャプテンとして,全体を指導・統率する能力や,キャプテンとして役割を実施するために求められる資質・能力の意味合いで使用され,主にスポーツでよく使われており,動的場面におけるチーム内のリーダーシップ発揮の意味合いがある。チームとして機能するための統率力や,突発的で流動的な状況が発生する現場で臨機応変に求められる判断力は,医療安全管理者にも求められるスキルである。多職種が参加するチームを統率し,メンバー個々の協働によって安全で質の高い医療を提供するという共通の目標を達成する取り組みは,勝利をめざす戦いにも共通するところがある。
本稿では,キャプテンシーという言葉を,医療の現場でチームとして活動すべき状況における「統率力」という意味で使用し,医療安全管理の“司令塔”としての役割が期待される医療安全管理者に求められているキャプテンシーの発揮と,そのために必要な医療安全管理業務の成果の“見える化”に関して述べる。
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