連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 7
「PRA(プロアクティブ・リスクアセスメント)トレーニング(1)」─突発的・流動的状況における“気づき”を育む“状況判断・対応”トレーニング
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.1072-1078
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200040
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医療現場の特徴と求められるリスクアセスメント
医療現場の特徴として,1)緊急かつタイムリーに対応せざるを得ない状況が突発的に発生し,変化し続ける,2)限定された空間で,チームとして安全で最良のパフォーマンスを要求される,3)対応や判断のエラーが生命の危機に直結しかねない,などが挙げられる1)。これらの特徴がインシデント・アクシデント発生のリスクでもあり,患者・家族が安心して医療を受けられるよう安全で良質な医療を提供するには,リスクを回避するための適切な“状況判断力”と“対応力”が求められている。
看護学生(以下,学生)が臨床現場で学びを深める機会としての臨地実習においても,受け持ち患者の状況によっては,状態の急変や突発的な出来事が発生して,適切な状況判断とその後の対応が求められる。もちろん,学習途中の学生が一人で判断・対応するわけではなく,実習指導者や担当教員の指導の下,状況を判断して適切な対応を実施することが望ましい。しかし,さまざまな要因が関与して,学生が一人で実施せざるを得ない状況が発生する可能性もないとは言いきれない。
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