連載 医療コンフリクト・マネジメント 医療メディエーションの実践・5
小児科外来でのトラブルに見る医療メディエーションの流れ
中西 淑美
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.706-712
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101012
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医療メディエーション(対話による紛争解決)は,医療の現場で発生したさまざまなコンフリクト(紛争・葛藤)について,それをどのようにマネジメントし,医療の質向上や患者安全にフィードバックできるのかということを目標にしている。ここでいう対話による紛争解決とは,単純な話し合いという意味ではなく,その当事者たちの語りから「事実関係」を明らかにし,「紛争の構造分析(IPIマッピング)」を行ない,「課題の再構成」をし,情報の開示と過不足を補い,それぞれの「認知変容」を促し,将来的な「解決」への道を模索する概念モデルである。
今回は,ある小児科外来での事例を題材に,医療メディエーション実践の一連の流れを総括的にみていくことにしよう。
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