特集① そのときどうする!? 苦情・トラブル対応の力を磨く
―事例から学ぶ医療メディエーション―現場のトラブル解決へむけて
中西 淑美
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.135-142
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100930
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医療メディエーションは,コンフリクトマネジメントのひとつである。医療メディエーションには3段階のプロセスと,大きくわけて3つの種類のスキルがあり,その過程をとおしてメディエーターは紛争構造を論理的に分析し,解決への道筋を見出していく。この紛争解決の方向付けで最も重要なのが,IPI分析と呼ばれるスキルである。これは,対立している当事者の語りから争点,主張,本質的なニーズ・原因を抽出し,その構造を分析するスキルであり,これを用いて紛争を俯瞰することで,解決へ向けた働きかけが可能となる。本稿では苦情事例への対応スキル(情報IPI分析)を紹介し,医療メディエーションを地域保健の現場で活用するための導入を学ぶ。
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