特集① そのときどうする!? 苦情・トラブル対応の力を磨く
対立から信頼を生む―メディエーションという考え方
中西 淑美
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.130-134
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100929
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意見や感情,利害などの対立をマネジメントする方法のひとつとして,当事者同士の対話から解決を図る「メディエーション」が注目されている。これは,もともと法律分野において裁判外の方法で紛争を処理する場(ADR)のモデルのひとつであり,中立的第三者である「メディエーター」が,紛争当事者双方の語りから対立の構造を分析し,解決へ向けた道筋を立て,その方向に当事者同士の対話を促進することによって合意へと探索するものである。地域を支援し住民と協働していく役割をもつ保健師が苦情を受けたときには,このメディエーションの考え方で対応することで,信頼関係の構築と業務の改善につなげることができると考えられる。
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