連載 医療コンフリクト・マネジメント 医療メディエーションの実践・4
スキル(技法)とウィル(意思)から医療メディエーションとは何かを考える
中西 淑美
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.606-610
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100987
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前回は,医療事故の事例として手術中のガーゼ遺残ミスのケースをあげ,医療メディエーション(対話による紛争解決)のスキルのなかでも,紛争を分析し解決へのパスを見出していく紛争マッピング(IPI分析)を中心に,医療コンフリクト・マネジメントの過程を説明した。
医療紛争は,「病」をめぐって医療者との間に存在する期待や信頼が,不意に壊れたことをもとに発生している。そのため,他の紛争に比べ,感情コンフリクトが強い。そのうえ,紛争当事者も紛争関係者も錯綜しており,紛争過程も,通常の紛争よりも時間に沿って動態的に展開する。
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