連載 自律してケアを提供できるセルフマネージングチーム[7]
セルフマネージングチーム制を実践者はどう評価しているか
福井 トシ子
1
,
片桐 麻州美
2,3
1杏林大学医学部付属病院看護部
2聖路加看護大学大学院博士後期課程
3神奈川県立保健福祉大学
pp.888-892
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100562
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
実践者による評価を求めて
前回は,プリセプターグループ制をとっていた頃の問題状況が,セルフマネージングチーム制を導入したことによって,どのように変化したかを紹介した。具体的には,(1)「スタッフのコミュニケーションスキルが上がらない」点について,「チームで話し合うことの意味」が重視され,「チームで相談できる状況」になったと評価でき,スタッフ間のコミュニケーションはネットワーク型になりつつあることがうかがえた。また,(2)「問題状況の捉え方に対する個人差が開き,問題解決が先延ばしにされる」点については,その時に応じた問題解決ができるようになり,日常的な経験のある問題は解決できるようになっていた。さらに,(3)「個人の経験が病棟全体で共有されないため,看護者のケアの質が上がりにくくなっていた」点について,チーム活動における個人の主観的評価を通して,ケアに関する相談とセルフマネージングチーム活動が関連して認識されていることがわかった。
これらの変化は,いずれもチームごとに,あるいは個別に,「振り返り用紙」に記入してもらった内容を,筆者が分析して考察したものである。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.