特別記事
高知大学病院看護部がめざすキャリア開発ラダー―継続教育の変革とキャリア形成への支援
谷脇 文子
1,2,3
,
茅原 泰子
1,3
,
千谷 真由三
1,3
,
弘瀬 裕子
1,3
,
宮井 千恵
1,3
1高知大学医学部附属病院看護部現任教育委員会
2前高知大学医学部附属病院看護部
3高知女子大学看護学部
pp.652-659
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100530
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医療の現場では,医療技術の急激な進歩,高度化,専門化が進んでおり,安全で質の高い医療の提供,医療の質の保証が評価される時代となってきている。看護の分野でも,組織における人材育成・確保の重要性は言うに及ばず,専門職として自発的,主体的な能力開発を促進し支援するとともに,看護実践者の能力評価と人材登用を視野に入れた教育支援体制の充実など,看護師の継続教育のあり方の検討は急務である。そんななか,近年,キャリア発達・開発をコンセプトとして支援体制の検討が取り上げられてきている。
高知大学医学部附属病院看護部の現任教育は,従来,対象者必修の経験年数別段階別教育プログラム,リーダーシップなどの役割別研修が中心であった。そこで,平成11年度より,当看護部は「5年後のクリニカルラダー構築」を提示し,現任教育委員会(以下,委員会)が主体となって取り組みを開始した。そして,現状把握のために行なった看護師の意識調査の結果,キャリアアップへの関心,中堅看護師のキャリア開発へのニーズが高いことなどが明確となった。さらに文献検討を通して,人材育成・能力開発の目的に沿ったキャリア開発プログラムの作成の必要性を認識し,キャリア開発ラダー(以下,ラダー)の導入を決定した。ラダーの構造の決定,スタッフへの啓発のための説明会の開催,部署ごとのラダー評価表の作成など,委員会主体から部署主体へと,新教育システム構築に取り組みながら15年度のラダー実施を迎えるに至った。
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