連載 看護職のセカンドキャリアを考える・5
需要と供給のギャップの底にみえるもの
吉原 直樹
1
,
田中 幸子
2
,
伊藤 嘉高
3
,
木田 あや子
4
,
佐々木 光子
5
,
田中 ゆかり
6
1東北大学大学院文学研究科
2北里大学看護学部
3東北大学大学院文学研究科博士後期過程
4元神奈川県ナースセンター
5神奈川県看護協会
6(株)ヘルスケア・フロンティア・ジャパンメンタルサポートセンター・スーパーバイザー
pp.668-672
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100347
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国のセカンドキャリア看護職の位置づけ
2005(平成17)年12月26日,厚生労働省から「第六次看護職員需給見通しに関する検討会報告書」(以下,「検討会報告書」)が公表された1)。それは神奈川県ナースセンターが今回の調査を実施してからほぼ10か月経ってからのことである。「検討会報告書」は,国が現時点で看護職の需給バランスについてどう考えているかを知るうえできわめて貴重な資料である。そこで今回はまず「検討会報告書」でセカンドキャリア看護職員がどのように位置づけられているかを少し敷衍することからはじめよう。
「検討会報告書」によると,2010(平成22)年の看護職員の需要は140万6400人と見込まれている(表1)。ところが2004(平成16)年末の看護職員就業者数は129万2593人である。したがって単純に計算しても,今後約11万人の看護職員の確保が必要となる。しかし,「医療技術の進歩,患者の高齢化・重症化,在院日数の短縮などから,看護職員の業務密度,負担が高くなっている」。それゆえ,今後看護師の不足(感)がいっそう切実なものになることが予想され,上記の見通しが容易に達成されるとは考えにくい。
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