Feature Topic みえない副作用
症状別「みえない副作用」のアセスメント
認識ギャップでみえない副作用—味覚障害
田頭 尚士
1
1岡山医療センター薬剤部
pp.64-67
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200158
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味覚障害は「つらさ」だけでは終わらない
近年、新規抗がん剤の開発などにより、がん化学療法に使用される薬剤は増加の一途をたどっている。それに伴い出現する副作用も多岐にわたっており、支持療法の進歩や各種ガイドラインの整備など、対策が進められているものもある。しかし、そのなかで抗がん剤による味覚障害は、他の副作用と比較すると発現時期も明らかではなく、十分な対処法も確立されていない。また、生命予後に直接関係するものではないため、医療者からは軽視されがちな副作用のひとつである。
実際に味覚異常を訴えた患者の多くが、食欲の低下も訴えており(Fig.1a)、更に味覚異常に対して大多数の方がつらいと感じている現状がある(Fig.1b)。味覚異常は食欲不振を引き起こすだけでなく、患者のQOLに大きな影響を及ぼす副作用である。更には食欲不振からくる栄養障害が化学療法の継続に影響を与える可能性も考えられ、軽視することのできない副作用であると言える。
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