連載 中医学で考える妊娠・出産の食養生・2
「貧血」の食養生
和田 曉
1
,
髙島 系子
1医療法人「医食会」
pp.444-449
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101011
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中医学からみた貧血のメカニズム
貧血は「血」の不足が原因
鉄欠乏性貧血(以下,貧血)は,妊婦によくみられる症状の1つです。一般的に,食事指導で改善されない場合には,鉄剤が処方されることが多いようですが,吐き気,便秘や下痢などの症状が現れたり,思うような効果が得られなかったりするケースもみられます。
中医学では,貧血は「血(けつ)」の不足が原因であると考えています。貧血を防ぐためには,妊娠初期(できれば妊娠前)から,血を補う食べものを多くとって,血の不足を改善しておく必要があります。ただし,血の不足はさまざまな原因がからんで起こるため,単に補血するだけでなく,もとにある体質素因や生活上の問題なども合わせて解決しておくことが大切です。
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