連載 中医学で考える妊娠・出産の食養生・1【新連載】
「安胎」の食養生
和田 曉
1
,
髙島 系子
1医療法人「医食会」
pp.314-319
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100917
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連載のはじめに
妊娠中から産後の養生は,その時期を健康に過ごすために大切であるばかりではなく,女性の一生の健康にかかわることでもあります。食による養生と対処法に関して,長い歴史をもち,理論体系も整った中医学(中国伝統医学)でのマタニティケアを具体的に紹介していきます。
食養生の基礎
1人ひとりの体に合わせた食養生を
中医学は,中国の伝統医学として何千年もの臨床を積み重ね,理論化されてきた医学です。漢方薬や鍼灸といった対処法が知られていますが,それだけではなく,生活術や食事による対処法も充実しています。どの対処法を導き出すときにも,裏づけとなる理論があり,1人ひとりの体に合わせたケアを行なうことができるのが大きな特徴です。
マタニティケアに中医学の食養生を生かす際にも,「つわりには○○」「腰痛には△△」など,対症療法的に食材を用いるのではなく,その人の体質,現在の体の状態,季節,体を取り巻く環境などを配慮しながら,食事の内容を考えていくことが大切です。
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