連載 筆から想いは広がって・1【新連載】
飛び立つ「ナナ」たち
乾 千恵
pp.312-313
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100916
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コントラバスの奏者で,作曲も手がけている友人の斎藤徹さんから,自作自演のCDが届いた。コントラバスの二重奏による1枚なのだが,なかに,とりわけ気になる一曲があった。ズン・チャッチャと三拍子を刻むベースの音に,ザザザザ・ザザ,ザザザザ・ザザというメロディーがかぶさるのだが,何しろ両方ともコントラバスの音。軽快なのか重々しいのか,よくわからない。わからないからこそ気を惹かれ,思わず聴き入ってしまう,そんな曲だ。
解説には,「ギリシャ悲劇の舞台のために作った曲。大勢の妊婦が輪になって踊るという不思議なシーンのためのもの」とあった。
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