連載 あの人の思い出カバン・2
やわらかな微笑みの保健師―カバンの持ち主:栗野ヤヱ子さん(元八戸市)
村中 峯子
1
1社団法人全国保健センター連合会
pp.468-475
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100993
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青森県と聞くとクワガタ虫の角のような下北半島と津軽半島が思い浮かび,「遠いところ」とイメージしがち。ところが,実際には東北新幹線で3時間もあれば八戸に着いてしまう。何だか,拍子抜けするほど近い。それでも,確実に「東北に来たなぁ」と感じるのは,道を尋ねたときの人々の親切さであったり,バスの車内で小銭が足りないお年寄りに「もっている(小銭)だけでいいよ」と声をかける運転手さん,停車する手前で料金メーターを止めてくれるタクシー運転手さんに出会ったときだったりする。「地域の人間性と経済的な発展が比例すればよいのに」と,小学生のようなことを思ってみたりする。いや,もしかしたら,人としての幸せという意味では,比例しているのかもしれない。
今日,初めて出会った保健師(あの人)も,そんな生き方を選択していた。
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