連載 あの人の思い出カバン・5
凛として人を育て続けた保健師―カバンの持ち主:松村美智代さん(元富山県)
村中 峯子
1,2
1社団法人全国保健センター連合会企画部
2東京大学大学院医学系研究科
pp.754-761
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101049
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かつて富山空港の上空を旋回しているとき,眼下に広がる立山連峰の,真白く,孤高なまでの凛とした姿に息を飲んだことがあった。媚びない,けれども拒絶しない,その姿が美しい。ちっぽけな自分など,超えた存在。背筋が伸びる思い。
なぜだか,思わず涙がこぼれるほど心にしみた。そして,あんな生き方をしたいと思った。旅に出るなら,“自分探しの旅”よりも,そうした“凛とした存在に出会える旅”を選びたい。
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