連載 ニュースウォーク・122
“なんとなく鎖国”はご免―海外人材受け入れ
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.464-465
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100992
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「れきはく」と呼ばれる国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の春の展示リニューアルが話題になっている。近世(17~19世紀前半)の生活・文化展示室で,私たちが教科書で習ってきた「江戸時代は鎖国」の説明が変わったのである。新しくは「近世日本は,鎖国をしていたと思われがちですが,東アジアのなかで孤立していたわけではありません」。
キリスト教の布教を恐れた徳川幕府は,日本人の海外渡航禁止令(1635年)やポルトガル船の来航禁止令(1639年)を発した。これで鎖国体制が確立したというのが“歴史の常識”だった。いま研究者の間ではこれは覆っており,「鎖国」という用語自体を使わない歴史教科書も出版されている。
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