実践報告
ロール・プレイング応用による看護基礎教育への効果
千田 好子
1
1岡山県立短期大学
pp.298-302
発行日 1988年5月25日
Published Date 1988/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908511
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はじめに
さきに筆者は「会話分析による看護の再検討」「会話場面から真の援助を考える」,あるいは「人間対人間の看護を手がかりに」について考究してきた1,2,3).これらについてはすでに大段智亮,伊東博,畠瀬稔などが先鞭をなし,その効果の大なることを報じている4,5,6).
筆者は成人看護学・外科系の担当者として,20年にわたって看護婦養成に携わってきているが,<人間を看護するという仕事は人間が相手>であることを第一義的なものとしてきた.外科看護学はたとえ<外科的技術>に重点があるとはいうものの,外科的疾患に関する援助を求めているのは<人間そのもの>である.一方看護援助の実践は,知識の集積よりも<態度の修練>が中心にならなければならない.また態度の修練・行動の練磨は,行動学習・経験学習によって初めて可能になると考えられる7).さらに行動学習・経験学習は抽象論や一般論が先行するものではなく<日常の仕事>や<生活の現実問題>を取り上げるところに成り立つものである.
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