増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
腎疾患治療薬
活性型ビタミンD3製剤(腎症・腎不全治療薬)
アルファロール(中外)/ロカルトロール(ロシュ)
根本 正則
1
,
深川 雅史
1
1東京大学医学部第1内科
pp.397-398
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905672
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腎不全においては,二次性の副甲状腺機能亢進などが起こり得るが,これには①腎におけるビタミンD活性化の低下,また細胞外イオン化Caの低下,②活性型ビタミンD受容体(VDR)の低下,③VDR以降の経路での作用不全,などのビタミンDの作用不足をきたす病変が関係していることがわかってきている.
従来,腎不全患者において,活性型ビタミンDは,主に二次性の副甲状腺機能亢進に対して,これのもたらす骨吸収亢進などに対する予防的な意味も含めて投与され,ある程度の効果を上げてきた.しかし近年では,特に透析患者においては逆に,副甲状腺機能低下を呈している例も見受けられるようになっており,この原因としてビタミンDの投与過剰が考えられている.
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