今月の表紙
ロール状になったDescemet膜
山川 曜
1
,
坂本 泰二
2
1お茶の水・井上眼科クリニック
2鹿児島大学
pp.183
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104596
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症例は72歳,女性。点眼麻酔下にて右眼の耳側角膜に対し,2.8mm切開幅にて超音波乳化吸引術を施行した。同切開幅にてwound assisted法によりインジェクターでIOL(SN60WS 26.5D)を挿入した。その際にDescemet膜剝離が認められた。術終了時には前房内へ空気注入も行ったが,完全に復位せず,術後剝離したDescemet膜はロールアップしたままであった。術後は視力(1.0)と良好で,角膜内皮細胞密度は術前2,584/mm2,術後8か月で2,469/mm2となった。
撮影環境は,カメラユニットにNikonD200を装着したライト製作所Righton RS-1000を使用し,ファイリング環境はKowa VK-2に接続していた。耳側方向より40°の角度でスリット長14mm,スリット幅5mm,フラッシュ光量はマニュアルで「5」,背景光は「off」とした。ロール状の部分の近傍を照射することで,間接光でロール状の縁の部分や曲面にハイライト部分ができるよう,スリットをわずかに耳側方向へ首振りさせて撮影した。ロール状になった部位がより立体的に見えるよう撮影にあたったが,十分に意図した通りに撮影できたと思う。
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