NURSING EYE
授業を科学的にしようという研究会をはじめて
吉谷 須磨子
1
1筑波学園高等看護学院
pp.642-644
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908433
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はじめに
‘教師は授業で勝負する’などと古くからいわれているように,教育者は教育効果を高めるために,授業内容や授業方法を工夫し,しかも授業が客観的に見えるようなものにするための努力が続けられてきている.授業について考える場合,学習すべき目標が決められ,学習内容に対する教師の考え方,学生の実態などが織り込まれた上で,具体的な授業の導入,展開,まとめを行わなければならない.
従って,授業を研究するときは,授業をする者がどのような授業モデルを実施したかが論議され,研究としてまとめられるはずである.しかし私の長い教師生活の中で,こうした論議や講評などはあまりにも少なかった.教科論や題材観についても論議されたことも少なかった.授業は本来記録され,客観的なものに作られなければならないのに,‘授業’を科学として追求する姿勢がなかったことを反省し,教師としての一番大切な教育実践記録を書くことなく,より価値のある教育はできないと考えるにいたった.
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