特集 リフレクションから授業研究(レッスン・スタディ)へ
授業見学・授業研究会のすすめ─学習指導観・授業観を確立するために
髙旗 浩志
1
1岡山大学教師教育開発センター
pp.518-524
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200778
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私と看護学校とのかかわり
私は20年近く,国立病院機構浜田医療センター附属看護学校で非常勤講師(集中講義)を務めています。担当は社会学です。学校教育を切り口に,社会階層と学歴,格差社会,教師と子ども・子ども同士の人間関係,家族,高齢化・人口減少,マイノリティなど,さまざまなテーマを扱います。必ずしも国家試験に直結する内容ではありません。しかし「優れた看護師として在り続ける教養を培ってほしい」という思いで授業をしています。
毎年,受講者はとても質の高いレポートを届けてくれます。学校や社会に対する率直な思いがあふれています。彼らがこれまで経験した「傷つき」の理由を,社会との関係で客観的に見つめ返したレポートも数多くあります。紡がれた言葉はとても正確で,いつも心を動かされます。そしてそれは常に,授業を見直す手がかりを与えてくれます。学生は同僚や他の教師以上に,正確な観察者であり評価者です。鏡のような存在です。ひとつのごまかしも通用しません。ですから,この学校は私にとってとても大切な場所なのです。
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