特集 「静脈注射」をめぐって
看護本来の業務とは何か―静脈注射を実施していない施設の課題
小野寺 綾子
1
1神奈川県立がんセンター看護部
pp.20-26
発行日 2003年1月25日
Published Date 2003/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903340
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はじめに
昨年5月,「新たな看護のあり方に関する検討会」が発足し,その具体的な検討のなかから静脈注射が看護師の業務範囲に拡大されるのか,その場合の対策はどうなるのかと,成り行きを案じていた.昨年7月に開催された第3回の検討会議事録の内容や,全国の看護師の90%が静脈注射を実施しているという調査報告にも疑問を抱いた.そこで,神奈川県疏がんセンター(以下,当センター)の看護師を対象に静脈注射の実態調査を実施していた矢先の9月30日に,厚生労働省から「看護師等が行う静脈注射は,診療の補助行為の範疇として取り扱う」通知がだされた.しかし,当センターの現状では静脈注射が業務範囲となる前に検討すべき課題が大である.
厚労省の通知を受けて,看護本来の業務とは何かを問い続け,静脈注射を実施していない当センターの実態と日常生活行動援助への取組みについて報告する.
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