特集 「静脈注射」をめぐって
看護基礎教育の現状から―解決すべきさまざまな課題に焦点をあてて
茂野 香おる
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.14-19
発行日 2003年1月25日
Published Date 2003/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903339
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はじめに
厚生労働省よりの通達「看護師等の静脈注射の実施について」(2002年9月30日付,厚生労働省医政局長通達0930002号(各都道府県知事))が出されたことに対しての率直な思いは,「こんなにも早く,そしてやはり,ずっしりと重く」ということである.その3週間前に「新たな看護のあり方に関する検討会」の中間報告(2002年9月6日)がマスコミでも報じられ,在宅医療に対応するためにも業務拡大の方向への動きがあることは覚悟していたつもりである.基礎教育でも静脈注射技術を盛り込む必要が生じるのか…先行きの不安を感じていた矢先のことだった.
通達として発せられるまでの期間の短さ,その迅速さに驚きを隠せない.看護教育に携わる者として,この迅速性に対応すべく,教育内容に即反映させる使命を感じつつも,基礎教育の現状においては,乗り越えなければならない課題が山積している.本稿ではこの課題について述べていきたい.
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