特集 「主体的に学ぶ」授業
CAIによる学生の主体的な学習機会の提供
有田 清子
1
1東海大学健康科学部看護学科
pp.270-273
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902478
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はじめに
学生が看護を学習する場は,教室・実習室・臨地実習の場など様々である.ことに臨地実習は,学生自身が主体となり,看護に必要な現実の正しい知識や技術の獲得,行為の評価などをとおして看護することの意味の問い直しをするというダイナミックな学習活動が展開される場である.しかし,臨地実習の場は看護実践の現場である.学生が受け持つ患者は,時にはいくつかの疾患をもち入院を余儀なくされており,そのことが患者はもとより家族の心理社会的側面にも影響を及ぼしているという複雑な存在である.
授業は,学生と教師が教材を媒介としてかかわりをもつことにより成立する.このため教材には,学習活動を深化・促進する要素が含まれている必要がある.またその教材のテーマは,学生の興味や関心に焦点が絞られていることも重要である.その意味で,臨地実習の場=看護実践の場は看護の学習には格好の教材といえる.しかし,現実の看護実践の場は複雑であり,看護の学習を始めたばかりの学生が,この場で看護に必要な基礎的知識や技術の習得を行うことは困難であるばかりでなく,患者の倫理的側面に必ずしもプラスにはたらくとはいえない.
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