ナースの意見
教育機会均等を
原田 八重子
1
1大阪至誠会病院
pp.60
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911063
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私は准看護婦卒業後,高校通信教育を受け現在進学コースめざして定時制高校に通つている1人です。私達周囲の社会を皆様方はいつたいどうお考えになりますか,「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らず」これはあまりにも有名な福沢諭吉の言葉,あの時代から,自由平等は叫ばれ,今日迄至つたのであります。
まず現在の行政教育面に就いて考えてみよう。すでに皆様御承知の通り,勤務評定,道徳教育,教育課程改定問題と教育に関する問題が相ついで提出され,今や日本教育界に於いては始めての大混乱である。勤評は教育の均等を守ると言われるが,はたしてどうであろうか,もし守るものであれば私達は勤評に賛成するが……しかし,教師の間では守られているにしても,社会の目は,例えば私達定時制生徒をどんな目で眺めているか実際私達を認めているかどうかが問題であります。就職試験の時にそれをはつきりと証明してくれます。8月15日から高校生は就職試験が行われている。さてこれによつて,教育の均等が行われているかどうか,はつきりと証明してくれます。3年間でいい所を私達は4年間このプラス1年は働きつつ学ぶから行かなければならない。だから私達は,3年間にしてくれとは言わない。4年間行くからには同等に認められるべきである。夜学生の中には昼間の学生よりも優れた人間もいるのである。
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