声
考えるために—みずからその機会を!
吉田 幸永
1
1京都日吉町
pp.60
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204836
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9月号の「声」伊藤うらさんの学会参加の感想を拝見して,わたしも同じ学会に参加したので,わたしの学会参加の感想をかいてみたくなった。決して伊藤さんの声に反ぱつするのではないし,伊藤さんのおっしやる理論で公衆衛生を論ずる学者もいないことはない。だが,わたしの場合,伊藤さんと同じく年休で出席した。
わたしの学会参加のよろこびの第1は,全国の多くの仲間に会えることだ。ドキドキしながら,ヘタクソな発言をしても,わたしの考えを支持して下さる学者や先輩,後輩が会場にいっぱいいらっしゃる。このムードがわたしを勇気づけてくれる。ほんとうにきてよかった。わたしの考えはやっぱりまちがっていなかったんだ。こんなに多くの仲間がいるではないか……。いわば自分の仕事に対する姿勢の再確認の場である。日頃現場で,たたかれたり,足を引っぱられたり,1:Xの中でもがきながら,自分の信条を通していくことのきびしさをいっぱいおなかの中にしずませての学会参加は,精神的ヘドロをはき出すかけがえのないチャンスだと思っている。
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