実践報告
看護のセンスを育てる―探究的学習行動を通して[その1]
矢口 みどり
1
,
大下 静香
2
,
大森 武子
3
1(財)能力開発工学センター
2福島県立医科大学看護学部
3東京女子医科大学看護短期大学
pp.59-63
発行日 2000年1月25日
Published Date 2000/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902197
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21世紀の看護者像
21世紀が近づく足音がすぐそこに迫ってきている.21世紀とはどんな時代なのだろうか.そして,その時代に働く看護者としての望ましい人間像は,どういうものだろうか.
看護者の働く場というのは,実に多様でしかも変化し続ける場である.患者が10人いれば10通りの場がある.年齢,性別,病気とその状態,心理状態や性格,趣味や価値観,家族関係や生活環境,そして,その患者のおかれた医療環境など,看護行動にかかわってくる条件の組合せは,1つとして同じではない.それらの条件の多くは変動するものである.看護者は日々,そしてその時々の患者の状況や環境を読み取り,それにふさわしい行動を生み出さなければならない.原則はあるが定型はない.工場で同じ規格の製品を作るのとは異なった性格の,極めて創造的な仕事である.
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