特集 学生の主体性を読み取る―行動姿勢の視点から
学生のレポートから行動姿勢を読み取る
矢口 みどり
1
,
大下 静香
2
,
大森 武子
3
1(財)能力開発工学センター
2福島県立医科大学看護学部
3東京女子医科大学看護短期大学
pp.430-434
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901844
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2つのレポート
ここに2つのレポートがある(表).看護短大1年生98名に対して行なったコミュニケーションに関する8時間の授業の終了後,「よいコミュニケーションをとるための能力」についての学生自身の意見を求めたもののうちの2つであるが,このレポートから何が読み取れるだろうか.
レポートは多くの場合,学習内容に対する学習者の理解度や知識獲得量をとらえることに重点がおかれてきた.そして,その結果は学習者に対する評価として使われてきた.その見方で2つのレポートをみると,Bはよいコミュニケーションをとるためのポイントとして,教師が示した要素を教えられた通りきちんと記述し,全体的にもれなくおさえているのに対し,Aは非常に主観的で片寄っているのが目につく.自分が一番関心のあることを中心に述べているのみで,授業の内容に対する全体的把握は今ひとつである.
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