調査研究
実習教育における患者アセスメントの深化と教材化のプロセス
内田 郁子
1
,
小平 京子
1
,
齋藤 ゆみ
1
,
金子 昌子
2,3
1自治医科大学看護短期大学(成人看護学)
2前自治医科大学看護短期大学(成人看護学)
3現茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
pp.842-847
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901935
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はじめに
1992(平成4)年度から本学の成人看護学の各論実習の方法として取り入れている「課題学習」は,実習における教育の視点をより明確にし,学生の学習動機を重要視した探究的学習方法として,一定の成果を得ている1-5).それらの結果は,学生に対する学習効果や臨床指導者の教育的実践に関する成果としてすでに報告してきた.今回はその教育経験の中から,「学生に“看護の本質”が体験的に理解されるために重要なものの1つは,患者固有の看護問題の明確化=学生の学習課題の明確化までの指導過程である」という仮説を教育事例を通して検証し,さらにその中で「患者アセスメント」の深化を導く過程における学生と教師との教育的かかわり,また課題学習における臨床での動的事象の「教材化のプロセス」について明らかにしたい.
筆者らは,「課題学習」を「その患者が持っているいくつかの看護問題の中から,あるひとつの問題に限って『学習の課題』とし,それを学生が集中的に学ぶ『患者―看護婦関係の発展過程としての看護過程』として積極的に『教材化』した実習教育である」と定義した.
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