特集 患者教育―教育技法を学ぶ
教育とは何か―教師教育教材の開発の立場から
藤岡 完治
1
1横浜国立大学教育学部付属教育実践研究指導センター
pp.537-543
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900252
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「教育とは何か」という問いは,教育や教育研究に携わる者はもちろんであるが,人間の発達と成長に関心をいだくすべての者に向けられた深く重い問いである.この問いに答えるには筆者の力量をはるかに超えることである.
筆者は教員養成や現職教員の研究,研修を対象に仕事をしている者の1人である.「教育とは何か」という問いを,「教育とは何か」の問いを教育実践という現実場面で引き受け,それに応答し続ける資質や力量を,どのように形成するかという教師教育の視点で展開してみたい.教師教育に携わる筆者にとってそれは探求のプロセスをデザインし(学習の場を準備し),一緒に,具体的に「教育とは何か」について問い続けてみることである.しかもそれを抽象的に論じるのではなく,コースなり,カリキュラムなり,教材群なりの具体物(=モノ)に体現し,実施し,改善しながら,この問いへの応答をより深く確かなものにしていきたいというのが,筆者の目下のテーマである.
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