看護教育新カリキュラムを追って・11
新カリキュラムの構築―体系的な「実践カリキュラム」の作成をめざして
吉田 喜久代
1,2
1全国社会保険協会連合会
2社会保険中央看護専門学校
pp.905-911
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901483
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はじめに
この度の看護婦養成所指定規則の改正のねらいは,基準の弾力化によって養成所の自由裁量枠の拡大,個性化を進め,併せて養成所の魅力向上による質の向上と改善を求めている.このことは学校の独自性を尊重し,設置主体の特性を活かした「実践カリキュラム」の作成と推進を図っての方針と捉えることができる.
従来は,指定規則の内容が法的拘束性を強調するような詳細な内容であったことから,各学校が指定規則の枠をこえない範囲のカリキュラムを組み,画一的で没個性的な教育にならざるを得なかった.それ故,基準カリキュラムの遵守が中心となり,学校の実態に即した実践カリキュラムへの認識不足を招く結果を生じさせた.言うまでもなく看護婦等養成所の運営に関する指導要領の「教育に関する事項」の中では,「別表1を標準とすること」として学校の自由裁量の余地を示しているが,現実の教育活動ではこの趣旨に積極的に関わっていなかったということになる.
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