特集 新カリはどういかされたか
新カリキュラムの実践に対する期待とジレンマ
青木 康子
1
1東京都立医療技術短期大学
pp.411-416
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900589
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平成元年からの新カリキュラムによって学習した看護婦教育課程3年課程の学生が,今年3月卒業した.これで改正された5つのカリキュラムによる看護基礎教育は,4年制大学を除いて一通り経験したことになる.振り返ってみると,新カリキュラムの発表から実施までの期間が短かかったこともあってか,新カリキュラムが誕生する直接の契機となった「看護制度検討会報告書」にみられる21世紀に向かって期待される看護職者像,「看護婦等学校養成所教育課程改善に関する検討会報告書」に示されたカリキュラム改正に向けての基本的な考え方についての理解あるいは討議が十二分にできないまま,見切り発車をし,走りながら考えるという形で今日まで経過してきた学校も少なくないように思う.
特に実習受け入れ側の,カリキュラムに対する理解がワンテンポ遅れることは止むを得ないことであり,学校側の新カリキュラムの咀嚼度,伝達度にも左右される.従って,実習の展開や実際の指導面で,新カリキュラムの基本的な考えが浸透しているとはいえない面も多くみられる.
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