連載 学生のための看護診断入門・12
異常体験のある精神分裂病の患者の看護診断
堤 由美子
1
,
柴田 恭亮
1
,
三浦 陽子
1
,
中俣 直美
1
,
中馬 成子
1
,
田畑 裕子
1
,
別府 博子
1
,
鹿島 友義
2
1鹿児島大学医療技術短期大学部看護学科
2国立南九州中央病院
pp.272-276
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901085
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精神の病を持つ人の看護は特殊であるという表現は,我々の公附会詰の中で聞かれることは少なくなって来たが,実際は単に潜行しているだけで精神科看護への障壁の厚さは依然として変わっていないように見える.こうした背景には,長い間受け継がれてきた精神の病に対する社会的偏見があり,看護者といえどもこれらから自由ではあり得ないからだろう.
精神科看護の理念や知識を理解することと,それらを自分のものとして納得することの間には大きな隔たりがある.ましてや実践ともなると尚更である.この隔たりを埋めるのは,まずは体験しかない.精神障害者との出会いの中で人間としてその苦しみに共感するという機会は,その意味で非常に重要であり,看護者の中に存在する偏見を乗り越える大きな一歩になる.
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