実践報告
意図しない状況にも対応できる実践的な看護援助能力の獲得を目指して―模擬患者導入における事例展開
長嶺 めぐみ
1
1群馬パース大学看護学部
pp.312-316
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202253
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はじめに
新卒看護師の看護実践能力低下が指摘されている1)が、その背景には、基礎看護教育で習得する看護技術力の低下がある。学内での演習は状況や場面を設定しているため、学生たちは設定の範囲であれば行動することができるが、設定を超えた内容への対応は難しい。
多くの看護師養成機関において、基礎看護学実習の後に成人・高齢者などの臨床看護学実習が控えている。臨床看護学実習で受け持つ患者は、基礎看護学実習での受け持ち時よりも疾患が複雑である場合が多く、また想定外の事態も起こりやすい。
患者に提供される看護援助は、安全安楽が確保されたものでなければならない。そのためには、今見えている現象だけでなく、今後起こり得るリスクも念頭に置いて対応できる看護実践能力の獲得が望まれる。
本稿では、科目「看護援助学総合演習」の学内演習において、意図しない状況の変化にも対応できる実践的な看護実践能力の獲得を目指した取り組みを行ったので報告する。
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