連載 リレー連載・列島ランナー・61
日常業務にある「事例」から実践能力の獲得を
守田 孝恵
1
1山口大学大学院医学系研究科
pp.283-287
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102995
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地域看護学実習と「住民の力」
地域看護学実習を終えると,多くの学生が「楽しかった!」と感想を述べる.何が楽しかったのかを尋ねると,地域で行われる健康教育や地域組織活動に参加し,住民と一緒に活動できたことが楽しかったと言う.学生が地域の魅力を実感できたと聞くことは,私にとって何よりの喜びである.
私も学生時代の実習で保健師活動を知り,住民の持つ健康に向かう「力」を実感することができて,この「力」にかかわれる保健師活動に魅力を感じた.当時,3歳児健康診査のフォローで家庭訪問に行った2つのケースの母子が,たまたま知り合いであった.私は,一方のケースに児童館を紹介した.その見学の日に,待ち合わせ場所に現れたのは,この2組の母子だったのだ.住民が誘い合って保健行動を起こした場面を見た.住民がつながり,行動する「力」を持っていることに気付いた.
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