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書評 ―13の実践レシピで解説!―看護を教える人が発問と応答のスキルを磨く本
松尾 睦
1
1青山学院大経営学部
pp.577
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202148
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「考えさせすぎ型」「教えすぎ型」教育からの脱却をガイドする本
経験から学ぶために欠かせないのが「経験の振り返り」であり、指導者は何らかの問いかけ(発問)によって学習者の振り返りを促す。しかし、発問だけの指導だと、学習者は自分の振り返り内容が正しかったのかどうか迷ってしまう。そこで必要なのが、適切な「応答」である。「発問」と「応答」をうまく組み合わせることが、すぐれた指導だと言える。しかし、教育の現場では、発問ばかりで応答が少ない「考えさせすぎ型」や、発問が少なく応答ばかりの「教えすぎ型」の指導者が多いのではないだろうか。そうした教員に対し、有益なアドバイスを与えてくれるのが本書である。以下では、「解説編」と「実践編」という2本立てで構成されている本書のエッセンスを紹介したい。
「発問」とは、「教育的な意図をもった問いの投げかけ」であり、見るべき視点と考える枠組みを与えることで学習をガイドする働きをしている。ここで注意すべきことは、「導入」→「展開」(発散、収束、深化)→「まとめ」という授業の流れのなかで、発問の仕方を変える必要があるという点である。実践編において紹介されている有効なテクニックとして「答えやすい問いでリズムをつくる」「答えやすい問いから始めて、段階的に掘り下げる」「席を外して学生に考えさせる」「学生同士で話し合うピア・ラーニングで考えさせる」「ロールプレイで考えさせて、答えを待つ」「相談スタイルの問いで一緒に悩む」といった発問を挙げることができる。
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