書評
『—13の実践レシピで解説!—看護を教える人が発問と応答のスキルを磨く本』|問いかける力を授けてくれる1冊
清水 奈穂美
1
1佛教大学保健医療技術学部 在宅看護学
pp.293
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202004
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誰もが経験する「対話の壁」
「発問」と「応答」のスキルを磨く——このタイトルを見た瞬間に、看護を教える立場にある多くの指導者や教員が経験していると思われる新入職員・学生との対話の壁を、そっと壊してくれるエッセンスがつまっていると感じ、すぐさま手にとりました。
学生に「訪問に行ってどうだった?」と投げかけると、表情が(何を答えたらいいのだろうと)一瞬固まることがあります。そして、学生は「療養者の疾患は○○で〜、家族構成は○○で〜」と情報を説明し、状況ばかりを話してしまうことが少なくありません。それに対し、「そうじゃなくて、どう思ったの」と尋ねると、圧力になり、学生が黙ってしまう。これでは対話が進まず、学生に何を考えてもらいたかったのかが伝わらないのです。
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