連載 先輩に学ぶ講義法・3
和田幹子さんに聞いた「発問と応答」
伊藤 徳子
1
1藤沢市立看護専門学校
pp.238-242
発行日 2009年3月25日
Published Date 2009/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101158
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
私が今までとらえていた「発問と応答」
広辞苑(第6版)によれば,発問とは「問いを発すること」,応答とは「問いや話しかけに答えること。受け答え」,質問とは「疑問または,理由を問いただすこと」とある。また,『発問とは,授業における発問・応答の一連の活動です』1)と記載された本もある。
私のなかでは,質問は相手に必ず答えを求め,確かな答えがあるのに対して,発問はやさしい感じであり,受け答えが自由で何を答えてもよいというイメージがある。また,発問は意図的に相手の考えや思いを引き出す・聞き出すことであり,発問することにより学生の考え,思いを知ることができる,学生と教員の相互理解のための手立てでもあると考えている。これに対して応答は,教師が学生の反応に応えることであり,ある程度は学生の返答を予測しながらも,どのような反応が返ってきても答えられる準備をし,応答することが大切であると思う。
しかし,この一連の活動こそが簡単ではない。頭ではその目的・方法を理解できても,うまく活用できないのが現実,それが発問と応答の難しいところである。なぜ,私の発問が上手くいかないのかというと,教員としての経験の浅さ(教員歴4年目),講義に対する苦手意識,発問の方法とそれに伴う技術の未熟さ,これらが理由として挙げられるだろう。その技術を効果的に活用するには,発問の目的を十分に理解しスキルを身につけることが必要であると思う。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.