特集 「臨床判断モデル」のさらなる展開―基礎教育から臨床、訪問看護の現場まで
看護過程の学びを大切にした、「臨床判断モデル」の活用―小児看護学領域のシミュレーション教育での実践
福冨 理佳
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1聖路加国際大学大学院看護学研究科(小児看護学領域)
pp.426-431
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201959
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「臨床判断モデル」への期待
2018年より、聖路加国際大学(以下、本学)小児看護学の教員として、看護基礎教育の場に身をおいて以降、スムーズな臨床への移行をかなえる看護基礎教育のあり方について、検討を重ねながら教育を行ってきました。
在院日数の短縮や入院患者の急性期化も相まって、臨床ではていねいに看護過程を検討する時間もないほど、よりタイムリーな対応が求められるようになっています。とりわけ小児看護学においては、わが国の急速な出生数減少の影響を受け、学生自身が子どもとかかわる経験が十分にとれない状況です。臨床で直接子どもとかかわる実践経験が望まれる一方で、実習病棟の数に限りのある小児病棟で実習機会を提供するには、学生1人あたりの病棟実習日数の減少が避けられないというジレンマが生じています。
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