特集 シミュレーション教材は進化する
ディブリーフィングによって学びを深める―看護基礎教育におけるシミュレーション学習
岩本 由美
1
1広島文化学園大学看護学部
pp.802-805
発行日 2009年9月25日
Published Date 2009/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101294
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基礎教育に求められるシミュレーション学習
看護学生の臨地実習において,学生が可能な看護援助技術を患者様に自信をもって提供するためには,アセスメントに基づき臨床判断ができること,患者にとって必要な看護援助を何度も繰り返し練習し,技術を習得していること,行ったことを記録し報告できることなど,基本的な一連の行動ができる必要がある。それができたとしたら,学生は,臨床実習で,過度に緊張することなく,イキイキと楽しく自信をもって,安全に援助を行うことができるであろう。現在の臨床現場,特に急性期の患者を看護する部署(病棟)では,学生が失敗から気づき,学び,その成長をゆっくり見届ける余裕はない。その状況のなかで,看護教育者は,学生たちに基礎的知識,コミュニケーションスキル,技術援助,臨床判断,チームワークスキル,専門職としての態度を一連の行動として伝授する必要性に迫られている。
看護教育におけるシミュレーション学習は,看護教育者に従来の講義・演習に新しい創意工夫の機会を与え,学生自らにさらなる行動変容をもたらす気づき,発見,学びを提供する。
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