特集 医療シミュレーション教育 21世紀の医学教育の潮流
【シミュレーション教育のためのガイダンス】
麻酔科領域のシミュレーション教育
上農 喜朗
1
1兵庫医科大学麻酔科学教室
キーワード:
non-technical skill
,
高機能患者シミュレータ
,
DAM実践セミナー
,
日本医学シミュレーション学会
,
麻酔の危機資源管理
Keyword:
non-technical skill
,
高機能患者シミュレータ
,
DAM実践セミナー
,
日本医学シミュレーション学会
,
麻酔の危機資源管理
pp.130-132
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101621
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シミュレーション教育とは何か
シミュレーションとは,現実世界で起こっている事象を要素に分解し,人工的に再構築して再現することである1).医療におけるシミュレーション教育の手本とされてきた航空産業では,ライト兄弟が初飛行に成功した1903年直後から,飛行機の操縦方法を学ぶためのタスクトレーナーが使用されたが,この頃は個人の技術的能力の習得を目標とした技能訓練の域を出なかった.第2次世界大戦は,チームトレーニングによるnon-technical skillの習得に重点を置いたシミュレーション教育法開発のきっかけとなった.現在では航空産業や原子力プラント,軍事など,現実の世界で訓練することが安全面や経済的に困難であり,訓練すべき状況の発生頻度が少ないが発生した時には容易に危機的状況に陥る分野において,シミュレーション環境での教育が積極的に行われている2).
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