増大号特集 シミュレーション教育 虎の巻
第2部 効果的な実践に向けて
【座談会】シミュレーション教育だからできること―東京医科大学基礎看護学領域統合実習 学内シミュレーションの実践から
阿部 幸恵
1
,
伊藤 綾子
1
,
清水 典子
1
,
渡邊 裕見子
1
,
石田 美紀
1
1東京医科大学医学部看護学科
pp.618-623
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201295
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実習につながるシミュレーション
伊藤 今回紹介するシミュレーション(表1・2)は、4年生の統合実習の学内日に行ったものです。この統合実習では、学生は、2名の患者を受け持ちます。もちろん、最初は1人の患者を受け持ち、少し慣れてから2人目の患者を受け持つことになります。学生の様子にもよりますが、3週間の実習の2週目から2人の患者を受け持つ学生が多いです。今回のシミュレーションは、実習1週目の学内日に行いました。学生たちが、実習2週目に少しでも2人の患者さんを受け持つということをイメージできるよう計画しました。実習室に2人部屋をパーテーションで区切って3か所つくりました。1つの病室ブースには、3〜4名の学生を配置しました。患者さんは、表1に示す2人の患者です。1人は、肺炎の秋山さんです。寝衣や体位が整っていないなどの設定を行い、また呼吸音を設定するためにマネキンタイプのシミュレータを使いました。秋山さんの声は教員が出します。学生がフィジカルイグザミネーションをした場合にも教員が測定値や状態を提示します。もう1人は、糖尿病の藤さんです。教員が模擬患者になりました。
清水 シナリオは、阿部幸恵先生の著書『1年で育つ!新人&先輩ナースのためのシミュレーション・シナリオ集』を改変して使いました。書籍のシナリオは、実際に新人指導などに使われていますし、最初からつくりこむ必要がないので助かります。
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