特集 編成したカリキュラムをどうしていくか
看護基礎教育におけるカリキュラムマネジメントのポイント
吉田 文子
1
1佐久大学大学院看護学研究科看護教育学領域
pp.838-844
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201805
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カリキュラムらしさへの前進
●指定規則からの出発
約1年半にわたる検討を経て2019(令和元)年10月に「看護基礎教育検討会報告書」が公表され、2020(令和2)年11月には「保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正」(以下、指定規則第5次改正)の省令が公布されました。各養成校では、今まさに、自校の現行カリキュラムを評価し、新カリキュラムを編成したかどうかというところでしょう。
指定規則の第5次改正は、現行制度の一部改正であり、教育内容が大きく変化したわけではありません。それでも、各校に自由裁量を与えた本改正は、本来の「カリキュラム」らしさへの大きな前進になったことは間違いないといえます。とりわけ、時間数表示がなくなり完全なる「単位制」の導入となったことで、単位制度の実質化の実現への準備が整ったわけです。単位としての十分な学修時間の確保、授業形態による単位時間の確保ができることは、「カリキュラム」編成に大きな意味を与えます。これまでは、指定規則で表示された単位数を確保しても、総時間数でも3,000時間以上を確保できているか確認しなければならず、単位制といいながらも、しっかり時間数をこなしているか、いわば縛りのようにも思える制度でした。
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