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はじめに
授業設計において重要なことは、学習目標・学習方法・評価であり、この3つの整合性がとれていなければならない。学習目標を達成するために効果的な学びをもたらす学習方法があり、かつその学習目標の達成度を的確に確認するために評価がある。しかし、知識を問うような筆記テストとは異なり、思考や技術を確認するレポートやプレゼンテーション、グループワークなどの演習に対する評価は難しい。複数の教員が同じ科目を担当する場合、教員間で評価の観点が異なることに苦慮している教員は少なくないのではないだろうか。
また、学生も自分が提出した課題や活動はどう評価されたのか、何がよくて何がよくなかったのかといった疑問をいだいたまま、一方的に成績がつけられることに不全感が残るという。教員は授業を考えるときに、つい何をどのように教えるかといったことに重点をおきがちであるが、学生に学んでほしいことが教えられたのかや、それに対する評価についても十分に検討しなければならない。
筆者は、自分が担当するすべての科目においてルーブリックを活用している。昨年度のオンライン授業においては、学生が作成した保健指導のWeb教材をLMS(Learning Management System)上でお互いに確認し合い、ルーブリックを用いてピア評価を行った。オンライン上であっても、学生同士が学び合えることを実感できたことで、受講した学生たちの満足度が高く、高評価を得た。筆者にとっても授業方法の幅が広がったと感じている。本稿では筆者の授業実践の一部を紹介するが、少しでもルーブリックについて具体的なイメージをもつことができ、その意義を理解していただければと思う。
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