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はじめに
豊橋創造大学(以下、本学)は、愛知県東部の豊橋市に位置し、保健医療学部(看護学科、理学療法学科)、経営学部の2学部3学科からなる大学です。看護学科の定員数は、1学年90名です。臨地実習先は、市内および近隣の市を中心として複数施設を利用しています。そのため、各臨地実習では、施設間(病棟間)による学びの差が生じることのないように、教員間および実習指導者との指導内容や学生の修得状況を密に打ち合わせしています。多くの教員や実習指導者がかかわる実習において統一した評価項目・評価基準を用いることは、学生の修得状況を客観的に把握でき、共通認識できるメリットがあります。また、実習評価ではパフォーマンス評価を適切に行うことが必要とされます。そのため、本学の看護学科では、各実習でルーブリックによる評価基準を作成し、活用を始めました。
また、2020年度はCOVID-19の影響により、臨地実習の一部を学内実習に変更することを余儀なくされました。本学の2年生の「基礎看護学実習Ⅱ」(2単位、8月下旬〜9月中旬開講)においても、1施設が学内実習となりました。学内実習で学修する学生は、患者や家族を対象とすることができないため、施設で実習を学修できる学生との教育の差を最小限にすることを目的に到達目標の一部を変更し、ルーブリックを用いながら指導しました。また、作成したルーブリックを活用して、実習期間中に双方の間で差が生じないように指導しました。
本稿では、①本学が臨地実習にルーブリックを用いた評価を導入した経緯、②看護過程を中心とした基礎看護学実習Ⅱのルーブリックの作成、③一部学生が学内実習になった場合に作成したルーブリックを用いることで学修の質を保証した事例を紹介します。
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