特別記事
学校に広がる“エイズを考える高校生ピア・グループ”
小宮山 恵美
1
1北区保健所保健予防課
pp.318-323
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902602
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高校生と出会ってみたい
北区には,都立・私立あわせて高校が19校ある。北区保健所では,平成9年度からエイズ啓発活動として年2,3校のペースで高校生向けの講演会を実施してきた。しかし,1つの学年に一度きりで,しかも講演会という働きかけだけで,本当に行動を変容するほどの啓発効果があるのだろうか,という疑問があった。以前から関心を持っていなければ,「エイズの話を聞いた」ぐらいの印象しか残らないだろう。高校生はエイズ啓発活動の主要なターゲットであり,エイズ対策の個別施策層といえる。いま保健師には,この高校生に働きかける仕組みを地域に創り出すという新しいチャレンジが求められているのではないかと考えていた。
そこで目に止まったのが,欧米で盛んに実践されはじめたピア・グループによる自主的な学習会であった。しかし,いままでの保健活動のなかで,高校生と直接に触れ合うほどの距離でつき合った経験はなかった。まずは,どこで,どのように高校生と出会うか,その糸口を探すことからスタートすることになった。
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